千年姫小松 (御神木)

 池のうきくさ 浪にただよい 錦をさらすかとあやまたる
       中嶋の松にかかれる藤なみの うら紫にさける色   

(『平家物語』大原御幸)

本堂前の汀の池のそばには、古来より櫻と松が寄り添うように立っていて、その櫻を「みぎわの櫻」といい、松を「姫小松」といった。
姫子松は細長く柔らかい松の葉が5本が一組になってつく、いわゆる五葉松のことである。
寂光院の姫小松は樹高15メートル余りで樹齢数百年になるものであったが、平成12年(2000)5月9日の不慮の本堂火災とともに、池のみぎわの櫻と姫小松もともに被災し、とくに「姫小松」は倒木の危険があるため伐採のやむなきに至り、現在はご神木としてお祀りしている。

 ひめ小松一千年のおん姿 歴史の重さ今につたえん   

(寂光院32世院主 滝澤智明)